僕のスピードで

俺が眠りながら作ってたテストケースが不意の停電によって消滅した。
むしろあのまま復旧しないで滅べばいいのに。
今日はやばい。眠りすぎ。合計３時間は寝てたんじゃねえかっていう噂。
夢までみちゃってるし。挙句の果てには自分の寝言で起きたよ。

リーダーも風邪がやばくて早退したし、何を進めればいいのかわかんなくなったし
テストケース消えたしふてくされて帰る事に。
今日も碌な事がねぇな…。明日もないんだろうな…。べがさんも良い事ねえんだろうな…。
かいのこさんは妄想から戻ってこれないんだろうな…。どうでもいいか…。
ってベンチに座って物思いに耽るぷいにゅ一匹。
電車が来たので重い腰をあげる。とそこに

??「おつかれさまです～」

と声が聞こえる。それはどこかで聞いた事があるようなかわいい声で。

Aさんだった。おっわぁぁあ、急すぎるって待って心の準備がああひょおおお。

ぷい「あっ、おつかれさまです～。Aさんも今帰りですか～」
と平静を装ったつもりだけどきょどっているのは自分も含めて明らかだ。

二人は並んで席に座る。
これは神様がくれたチャンスではなかろうか。
前の電車内では碌に情報を聞き出せなかったし今しかない今しかないんだ。
大丈夫大丈夫俺にはエロゲで培った三択が頭の中に浮かんで……こねぇええ！！
精子の如く頭の中がまっしろしろだよ。にごってるよ。
もうあれだ。俺にはスムーズに情報を聞き出す話しのスキルなんて元から持ってないんだし
多少話しの流れが強引でもいくしかない。

ぷい「今日は俺やばかったっす。ねむりすぎて。」
Aさん「わたしもちょっとあぶなかったです～。」
ぷい「…お互い気をつけましょうね。」
Aさん「そうですね～。」
ぷい「先週の土日も実家帰ってたんですか？」
Aさん「あ、いえ～、寮の友達とご飯食べてました～」
ぷい「へぇ～、仲がいいんですね～」
Aさん「はい～」
ぷい「ところでAさんの趣味はなんですか？」

話しの流れを359度塗りかえた俺。後悔はしていない。

Aさん「趣味ですか～？…そ～ですね、映画とか観に行きますね～」

(☆Д☆)ｷﾗ

ぷい「あ、映画っすか！僕も観に行くの好きですよ。」
Aさん「でも最近は観に行けてないんですけどね～」
ぷい「あっ、そういや僕もそうだ…最後に観に行ったのはホームレス中学生だった。」
Aさん「あ～、ありましたね～」
ぷい「そっかー、映画かー…じゃあ今度映画観に行きますか！」

キモさ満点！ぷいにゅ印の提供でお送りします。

Aさん「いきますか～？」
ぷい「調べときますよー。暇な時間あったらいきませう～。」
Aさん「あ、はーい～」


これは…まだあきらめるような時間じゃない！
社交辞令だとしても露骨に避けられていないよりはまだ脈は幾ばくかはあるはず。
これはまじで実行するしかない。早く今上映してる良い感じの映画をチェキ。
もしくは情報提供求めます。金に糸目はつけません。

あとは学生のときやってたスポーツとか最近のお話しとか聞けてよかったです。
１人になってから、あれを聞けば良かったなぜあれを聞かなかったのかと
次々と出てくるのはなぜ？本番に弱すぎる。

しかしびっくりした。
先退社してたからてっきりもう電車なんて乗っちゃってたと思ってたのに。